建売住宅の欠陥と買主の対応策

1. 建売住宅の売買契約と建物の欠陥

建売住宅を購入後6か月程度で不具合が生じたというような場合には、もともと売買契約締結の時点、ないしは引渡前の段階で、すでに建物には不具合が生ずるような欠陥が存在していたことがうかがわれます。このように、売買契約を締結した場合に、その売買の目的物が通常有すべき品質を有していないなどの欠陥があった場合、その欠陥を「瑕疵」といい、売主は、買主に対して「瑕疵担保責任」を負わなければならない場合があります。

瑕疵担保責任の内容は、(1)売主が買主に対して損害賠償義務を負うこと、(2)瑕疵が存在することによって契約の目的が達成し得ない場合には買主に契約解除権が認められることの2つです。

2. 瑕疵担保責任の発生要件と法的効果

瑕疵担保責任は、民法570条、同566条に規定されています。責任の発生要件は、「売買の目的物に隠れた瑕疵が存在すること」です。

(1) 「瑕疵」とは何か?

瑕疵とは、目的物が通常有すべき品質を欠いていることをいいます。例えば、建物に白蟻が発生している場合や、建物が誤差の範囲を超えて傾いている場合、建物敷地が相当額の費用を投じる地盤改良工事をしなければならない程の軟弱地盤である場合や、地中に土壌汚染が存在する場合などが挙げられます。

(2) 「隠れた」瑕疵とは何か?

「隠れた」とは、取引段階で通常要求される注意を用いても、当該瑕疵を発見することができない場合をいいます。瑕疵担保責任の発生要件が「隠れた瑕疵」であることから、瑕疵担保責任を追及することのできる買主は、当該瑕疵について善意無過失であることが要求されています。

(3) 売主の無過失責任

売主は、代金に相当する品質・性能を有する物を交付するのが通常ですので、売買の目的物に欠陥があった場合の瑕疵担保責任については、売主は無過失責任を負うものとされています。売主が瑕疵を知らなかったとか、瑕疵の存在について過失がなかったとしても、売主は瑕疵担保責任を負うことになります。

(4) 修補請求権の有無

売買の瑕疵担保責任の内容は、前述のとおり、損害賠償か解除であって、売買の目的物を修補せよとの請求権は認められません。ただし、瑕疵があった場合に、売主に修補義務を負わせる特約を追加することは可能です。

(5) 瑕疵担保責任の期間

瑕疵担保責任の請求は、買主が瑕疵を知った時から1年以内にしなければなりません。この期間を過ぎてしまうと、買主は瑕疵担保責任を追及することができなくなります。なお、この規定は、いわゆる任意規定ですから、この期間を特約で短縮することは原則として有効と解されています。それだけではなく、瑕疵担保責任を免除するという特約も原則として有効と解されています。ただし、売主が宅地建物取引業者である場合には、引渡しの日から2年以上となる特約をする場合を除き、買主に不利となる特約は無効と解されています(宅地建物取引業法40条)。

(6) 住宅の品質確保の促進等に関する法律による特例

新築の建売住宅で雨漏りや柱・はりなどの骨組みに重大な欠陥があった場合、その瑕疵担保責任期間は引渡しの日から10年で、買主は損害賠償、解除、修補の請求が行えるようになっています。
弁護士
江口 正夫