平成25年10月に国土交通省が「非住宅建築物に係る省エネルギー性能の表示のための評価ガイドライン(2013)」を制定したことを受け、第三者機関が非住宅建築物の省エネルギー性能の評価・表示を適確に実施することを目的としたBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)がスタートしました。
平成27年7月、「建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律(平成27年法律第53号。以下「法」といいます。)」が公布され、同法第7条において、建築物の販売又は賃貸を行う事業者は、その販売又は賃貸を行う建築物について、エネルギー消費性能の表示をするよう努めなければならないことが位置づけられました。
これに伴い、国土交通省は、建築物のエネルギー消費性能の見える化を通じて、性能の優れた建築物が市場で適切に評価され、選ばれるような環境整備等を図れるよう「建築物のエネルギー消費性能の表示に関する指針」(以下「ガイドライン」という。)を告示として制定しました。
BELSにおいては、ガイドラインに基づく第三者認証マークの一つとして住宅を適用範囲に加える等の改正を行い、新たなスタートを切りました。
住宅金融普及協会は、この制度に基づく登録評価機関として、評価業務を実施しています。
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)評価業務 トピックス
- 2022年10月01日 省エネ【低炭素認定・省エネ法認定・BELS】誘導基準の見直し(建築物省エネ法)及び低炭素建築物の認定基準の見直し(エコまち法)に対応し、申請書類等をリニューアルしました。
- 2021年10月13日 省エネ当協会のグリーン住宅ポイント対象住宅証明書発行業務につきましては、原則として、当協会が確認済証を交付した物件に限らせていただきます。ただし、状況により、お引き受けできない場合がございますので、ご了承ください。
- 2021年09月28日 省エネ
- 2021年04月01日 省エネグリーン住宅ポイント対象住宅証明書発行業務を始めました。詳細は性能評価課(03-3260-9821)までお問合せください。
- 2021年01月04日 省エネ
評価指標
1. 評価方法に応じた評価指標(非住宅)
評価手法 | 評価指標 | |
---|---|---|
外皮性能 | 一次エネルギー消費量 | |
通常の計算法 (標準入力法・主要室入力法) |
年間熱負荷係数及びBPI(※2) | 一次エネルギー消費量及びBEI(※1) |
モデル建物法 | BPI | BEI |
※1 BEI=設計一次エネルギー消費量(その他一次エネルギー消費量を除く)/基準一次エネルギー消費量(その他一次エネルギー消費量を除く)
※2 BPI=年間熱負荷係数(設計値)/年間熱負荷係数(基準値)
2. 評価方法に応じた評価指標(住宅:一戸建ての住宅、共同住宅等の住戸部分等)
評価手法 | 評価指標 | |
---|---|---|
外皮性能 | 一次エネルギー消費量 | |
性能基準 | 単位住戸の外皮平均熱貫流率(UA)・ 単位住戸の冷房期平均日射熱取得率(ηAC) |
一次エネルギー消費量 及びBEI |
仕様基準 | (省エネ外皮基準への適否) | (BEI=1.0) |
誘導仕様基準 | (強化外皮基準への適否) | (BEI=0.8) |
外皮性能:仕様基準 一次エネルギー消費量:性能基準 |
(省エネ外皮基準への適否) | 一次エネルギー消費量 及びBEI |
外皮性能:誘導仕様基準 一次エネルギー消費量:性能基準 |
(強化外皮基準への適否) |
3. 評価方法に応じた評価指標(住宅:共同住宅等の住棟、複合建築物の住宅部分全体等)
評価手法 | 評価指標 | |
---|---|---|
外皮性能 | 一次エネルギー消費量 | |
性能基準(※4) | 単位住戸の外皮平均熱貫流率(UA)・ 単位住戸の冷房期平均日射熱取得率(ηAC) |
一次エネルギー消費量 及びBEI(※5) |
仕様基準(※3) | (省エネ外皮基準への適否) | (BEI=1.0) |
誘導仕様基準(※3) | (強化外皮基準への適否) | (BEI=0.8) |
外皮性能:仕様基準 一次エネルギー消費量:性能基準 (※4) |
(省エネ外皮基準への適否) | 一次エネルギー消費量 及びBEI(※5) |
外皮性能:誘導仕様基準 一次エネルギー消費量:性能基準 (※4) |
(強化外皮基準への適否) |
※3 共同住宅等で共用部分が存する場合において、共用部分の評価を行う場合は、一次エネルギー消費量の評価手法に仕様基準(又は誘導仕様基準)を用いることはできません。
※4 住戸部分は表②の性能基準、共用部分の評価を行う場合は表①の通常の計算法を使用します。
※5 共同住宅等の共用部分については評価対象から除外することが可能となります。
表示方法
1. 星による5段階のマーク
星の数 | 用途 | ||
---|---|---|---|
住宅 | 非住宅 用途1 (事務所等、学校等、工場等) |
非住宅 用途2 (ホテル等、病院等、百貨店等、飲食店等、集会所等) |
|
☆☆☆☆☆ (誘導基準※注相当) |
0.8 | 0.6 | 0.7 |
☆☆☆☆ | 0.85 | 0.7 | 0.75 |
☆☆☆ | 0.9 | 0.8 | 0.8 |
☆☆(省エネ基準) | 1.0 | 1.0 | 1.0 |
☆(既存の省エネ基準) | 1.1 | 1.1 | 1.1 |
※1 住宅、非住宅用途1、非住宅用途2が混在する場合は、建築物全体の星の数に応じた基準一次エネルギー消費量を算出した上で、設計一次エネルギー消費量と比較を行い、星の判断をすることとなります。
- 住宅用途、非住宅用途1、非住宅用途2の各基準一次エネルギー消費量を算出。
- (1)で算出した値に、それぞれ上表の星の数に応じたBEIを乗じ算出された値を合計、各星の基準一次エネルギー消費量を算出。
- 設計一次エネルギー消費量が、各星の基準一次エネルギー消費量以下となる星数を判断。
※2 省エネ基準に適合しない場合は、表示は行いません。
※3 外皮性能と一次エネルギー消費量の両方の評価手法に仕様基準を用いる場合は、☆☆とします。
※4 外皮性能と一次エネルギー消費量の両方の評価手法に誘導仕様基準を用いる場合は、☆☆☆☆☆とします。
※注 誘導基準については、エネルギー利用効率化設備のうちコージェネレーション設備のみが評価対象となります。
2.「ZEBマーク」に関する表示(非住宅建築物・複合建築物(非住宅部分全体))
評価対象 単位 |
表示項目 | 一次エネルギー消費量水準 | ||
---|---|---|---|---|
評価書 | 表示マーク | 再生可能エネルギーを除く | 再生可能エネルギーを含む | |
建物 又は 部分(※1) |
『ZEB』 | ZEBマーク | 基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減 | 基準一次エネルギー消費量から100%以上の削減 |
Nearly ZEB | ZEBマーク | 基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減 | 基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の削減 | |
ZEB Ready | ZEBマーク | 基準一次エネルギー消費量から50%以上の削減 | ― | |
ZEB Oriented(※2) | ZEBマーク | A)事務所等、学校等、工場等は40%以上の一次エネルギー消費量の削減 B)ホテル等、病院等、百貨店等、飲食店等、集会所等は30%以上の一次エネルギー消費量の削減 |
― | |
建物用途 | 『ZEB』 | ZEBマーク |
|
|
Nearly ZEB | ZEBマーク | |||
ZEB Ready | ZEBマーク | |||
ZEB Oriented(※2) | ZEBマーク |
※1 この表における「建物」、「部分」の定義は次のとおりです。
建物:非住宅のみの建築物全体
部分:複合建築物の非住宅部分全体
※2 ZEB Orientedの要件である、「建築物(非住宅部分)(評価対象単位が「建物用途」の場合は、対象範囲の建物用途)の延べ面積が10,000㎡以上であること」かつ「未評価技術(公益社団法人空気調和・衛生工学会において省エネルギー効果が高いと見込まれ、公表されたものが対象)を導入すること」については、申請者からの自己申告によるものとし、評価の対象外(評価機関が確認しない事項)とします。
※3 評価対象単位「建物用途」ZEBの要件である、「建物全体(非住宅部分)の延べ面積が10,000㎡以上であること」については、申請者からの自己申告によるものとし、評価の対象外(評価機関が確認しない事項)とします。
注1 一次エネルギー消費量の対象は、空気調和設備、空気調和設備以外の機械換気設備、照明設備、給湯設備及び昇降機とします。
注2 再生可能エネルギー量の対象は敷地内(オンサイト)に限定し、自家消費分に加え、売電分も対象に含めることとします。(ただし、余剰売電分に限ります。)
3.「ZEHマーク」及び「ゼロエネ相当」に関する表示
(戸建住宅(一戸建ての住宅・店舗等併用住宅の住戸部分))
評価対象 単位 |
表示項目 | 要件 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
外皮基準(UA) [W/(㎡・K)] |
一次エネルギー 消費量水準 (基準一次エネルギー 消費量からの削減率) |
備考 | ||||||
評価書 | 表示 マーク |
1・2 地域 |
3 地域 |
4~7 地域 |
再生可能エネルギー等を除く | 再生可能エネルギー等を含む | ||
住宅 又は住戸(※1) |
『ZEH』 | ZEHマーク ゼロエネ相当 |
0.40以下 |
0.50以下 | 0.60以下 | 20%以上 | 100%以上 | |
Nearly ZEH | ZEHマーク | 20%以上 | 75%以上100%未満 | |||||
ZEH Oriented(※4) | 20%以上 | ― |
|
|||||
ゼロエネ相当 | ゼロエネ相当 | (省エネ外皮基準) | 20%以上 | 100%以上 |
※1 この表における「住戸」とは「店舗等併用住宅における単位住戸」をいいます。
※2 「北側斜線制限の対象となる用途地域等(第一種及び第二種低層住居専用地域、第一種及び第二種中高層住居専用地域並びに地方自治体の条例において北側斜線規制が定められている地域)」であって、敷地面積が85㎡未満である土地。ただし、住宅が平屋建ての場合は除きます。なお当該要件(用途地域・地区及び敷地面積)については、申請者からの自己申告によるものとし、評価の対象外(評価機関が確認しない事項)とします。
※3 建築基準法で規定する垂直積雪量が100cm以上に該当する地域。なお当該要件については、申請者からの自己申告によるものとし、評価の対象外(評価機関が確認しない事項)とします。
※4 「ZEH Oriented」の評価にあたっては、誘導仕様基準を用いることも可能です。
注1 「ZEH Oriented」を除き、再生可能エネルギーを導入するものとします(容量不問。全量売電を除きます。)。考慮する再生可能エネルギー等によるエネルギー供給量の対象は、敷地内(オンサイト)の発電設備からのものに限ります。再生可能エネルギー等とは、太陽光発電システム、コージェネレーションシステムの逆潮流によるエネルギーをいいます。ただし逆潮流分を的確に計算できることを条件とします。
注2 この表では、ZEHとりまとめに規定されるZEH判断基準(定量的な定義)の内容のうち、一部要件を省略して記載しています。BELS評価においては、この表に記載している事項のみを評価することとします。
4.「ZEHマーク」、「ゼロエネ相当」及び「ZEH-Mマーク」に関する表示
(共同住宅等・複合建築物(住宅部分全体))
評価対象単位 | 表示項目 | 要件 | |||
---|---|---|---|---|---|
外皮基準 | 一次エネルギー消費量水準 (基準一次エネルギー消費量からの削減率) |
||||
評価書 | 表示マーク | 再生可能エネルギー等を除く | 再生可能エネルギー等を含む | ||
①住棟 又は部分 (※1,3,5,6,7) |
『ZEH-M』 | ZEH-M マーク |
強化外皮基準(※4) | 20%以上 | 100%以上 |
Nearly ZEH-M | 20%以上 | 75%以上100%未満 | |||
ZEH-M Ready | 20%以上 | 50%以上75%未満 | |||
ZEH-M Oriented(※9) |
20%以上 | ― | |||
②住戸 (※2,3,5,7) |
『ZEH』 | ZEHマーク ゼロエネ相当 |
20%以上 | 100%以上 | |
Nearly ZEH | ZEHマーク | 20%以上 | 75%以上100%未満 | ||
ZEH Ready | 20%以上 | 50%以上75%未満 | |||
ZEH Oriented(※9) | 20%以上 | ― | |||
ゼロエネ相当 | ゼロエネ相当 | ※8 | 20%以上 | 100%以上 |
※1 この表における「部分」とは「複合建築物の住宅部分全体」をいいます。
※2 この表における「住戸」とは「共同住宅等における単位住戸」及び「複合建築物における単位住戸」をいいます。
※3 ①住棟又は部分と②住戸は別々に評価します。
※4 強化外皮基準は、UA値は1、2地域:0.4W/(㎡・K)以下、3地域:0.5W/(㎡・K)以下、4~7地域:0.6W/(㎡・K)以下とします。
※5 一次エネルギー消費量の評価手法は、住戸部分は性能基準又は誘導仕様基準(①住棟又は部分の場合で共有部分が存する場合は不可)、共有部分は通常の計算法(標準入力法)とします。
※6 ①住棟又は部分の評価は、次のとおりとします。
外皮基準:住戸評価
一次エネルギー消費量水準:共用部分は評価対象(共同住宅等・複合建築物(住宅部分全体)で共用部分が存する場合に限ります)とします。
※7 「ZEH-M Oriented」又は「ZEH Oriented」を除き、再生可能エネルギーを導入するものとします(容量不問)。再生可能エネルギー等によるエネルギー供給量の対象は、敷地内(オンサイト)に限定し、自家消費分に加え、売電分も対象に含めます(ただし、余剰売電分に限ります。)。再生可能エネルギー等とは、太陽光発電システム、コージェネレーションシステムの逆潮流によるエネルギーをいいます。ただし逆潮流分を的確に計算できることを条件とします。
※8 省エネ外皮基準への適合が必要となります。
※9 「ZEH-M Oriented」(共同住宅等・複合建築物(住宅部分全体)で共有部分が存しない場合に限ります)又は「ZEH Oriented」における評価にあたっては、誘導仕様基準を用いることも可能です。
注)この表では、集合住宅ZEHとりまとめに規定される定量的な定義(判断基準)の内容のうち、一部要件を省略して記載しています。BELS評価においては、この表に記載している事項のみを評価することとします。
機関登録番号
対象となる建築物
業務区域
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県、栃木県、群馬県、静岡県、山梨県の全域

実績
お問い合わせ先
TEL:03-3260-9821