住宅の設備及び仕様等に関する事業者アンケート調査

 住宅金融普及協会が発行する「住まいの管理手帳」を購入していただいている住宅事業者の皆様を対象に、近年供給されている戸建住宅の設備及び仕様等に関する実態を把握するためのアンケート調査を実施しました。

 調査結果は、「住まいの管理手帳」の改訂の際の参考資料とすることを予定していますが、その調査結果の一部をここに掲載いたします。

 住宅の仕様や設備の現状に関する一つの参考としていただければ幸いです。

調査の概要

(1)調査対象

調査対象事業者は、住宅金融普及協会が発行する「住まいの管理手帳(戸建て編)」を購入したことがある住宅事業者206社
調査対象住宅は、調査対象事業者が2020年度に供給した一戸建ての注文住宅又は建売住宅

(2)調査内容

調査対象事業住宅の標準的な設備機器及び工事仕様等

(3)調査方法

調査票は郵送で配布し、回答を記入した調査票は郵送またはメールで回収

(4)調査期間及び回収状況

調査期間は2021年5月~7月末
55社から回答(回答率27%)

(5)回答事業者のプロフィール

①事業所の所在地(回答55社)
東北地方11社(20%)、関東地方17社(31%)、中部地方13社(24%)、
近畿地方6社(11%)、中国地方2社(4%)、四国地方2社(4%)、
九州地方4社(7%)

②戸建住宅の主要な工法(回答53社、2社不明)
在来木造は46社(87%)、枠組壁工法は5社(9%)、プレハブ工法は2社(4%)

調査結果の概要

1.震災対策への取り組み

(1)免震装置と制振装置の設置

①免震装置
回答のあった事業者54社(1社不明)の7%が一部の住宅に設置していて、すべての住宅に設置している事業者はない。

②制振装置
回答のあった事業者55社の16%がすべての住宅に、38%が一部の住宅に設置しており、54%の事業者は制振装置を設置することができる。

円グラフ「事業者アンケート調査・免震装置の設置について:93%が設置なし、7%が一部の住宅に設置」
円グラフ「事業者アンケート調査・制振装置の設置について:16%がすべての住宅に設置、38%が一部の住宅に設置、46%が設置なし」

(2)感震ブレーカーの設置

震度5強以上の地震を加速度センサーで感知して分電盤の主幹ブレーカーを強制遮断する感震ブレーカーについては、回答のあった事業者54社(1社不明)の22%はすべての住宅に、20%は一部の住宅に設置しており、42%の事業者は感震ブレーカーを設置することができる。
円グラフ「事業者アンケート調査・感震ブレーカーの設置について:22%がすべての住宅に設置、20%が一部の住宅に設置、58%が設置なし」

2.新型コロナ感染予防対策への取り組み

 住宅設計における新型コロナウイルスの感染予防対策の以下の項目について、多くの住宅事業者は実施又は実施することができる。

①玄関に手洗い設備等の設置
回答のあった事業者55社の71%は一部の住宅に設置している。すべての住宅に設置している事業者はない。

②玄関にクローゼット等の設置
回答のあった事業者55社の7%は全部の住宅に、89%は一部の住宅に設置しており、96%の者は玄関にクローゼット等を設置することができる。

③在宅勤務スペースの設置
回答のあった事業者55社の2%の事業者がすべての住宅に設置し、84%の事業者が一部の住宅に設置しており、86%の事業者は在宅勤務スペースを設置することができる。

④宅配ボックスの設置
回答のあった事業者55社の7%の事業者がすべての住宅に設置し、75%の事業者が一部の住宅に設置しており、82%の事業者は宅配ボックスを設置することができる。

①玄関に手洗い設備等の設置
円グラフ「事業者アンケート調査・玄関に手洗い設備等の設置について:71%が一部の住宅に設置、29%が設置なし」
②玄関にクローゼット等の設置
円グラフ「事業者アンケート調査・玄関にクローゼット等の設置について:89%が一部の住宅に設置、4%が設置なし、7%がすべての住宅に設置」
③在宅勤務スペースの設置
円グラフ「事業者アンケート調査・在宅勤務スペースの設置について:84%が一部の住宅に設置、14%が設置なし、2%がすべての住宅に設置」
④宅配ボックスの設置
円グラフ「事業者アンケート調査・宅配ボックスの設置場所について:75%が一部の住宅に宅配ボックス設置、18%が設置しない、7%がすべての住宅に設置」

3.住宅設備等の標準的な仕様

(1)システムキッチンのビルトイン設備(複数回答)

回答のあった事業者55社のうち51社(93%)は食器洗浄・乾燥機を、13社(24%)は浄水器・整水器をシステムキッチンにビルトインしている。
グラフ「システムキッチンのビルトイン設備の種類。食器洗浄・乾燥機51%、浄水器・整水器13%、オーブンレンジ2%、ディスポーザー1%」

(2)浴室の新たな設備等の設置(複数回答)

回答のあった事業者55社 のうち40社(73%)が浴室暖房乾燥機を、26社(47%)が節水型シャワーを、8社(16%)が防汚機能付き浴槽や鏡を、6社(11%)がミストサウナを、5社(9%)が多機能シャワーを設置している。
グラフ「浴室の設備の種類。浴室暖房乾燥機、社節水型シャワー、防汚機能付き浴槽や鏡、ミストサウナ、多機能シャワーなど」

(3)高機能な換気設備の設置(複数回答)

回答のあった事業者52社(3社不明)のうち20社(39%)は熱交換型換気設備を、5社(10%)は空気清浄機付き換気設備を設置している。
グラフ「換気設備の種類。熱交換型換気設備20%、空気清浄機付き換気設備5%、室内空気室表示機能付換気設備1%」

(4)開口部の強風対策(複数回答)

回答のあった事業者55社のうち37社(67%)がシャッター又は雨戸を設置し、10社(18%)が窓ガラスを合わせガラスとしている。特別な対策を行わない事業者も17社(31%)あった。
グラフ「開口部の強風対策の種類。シャッター又は雨戸、窓ガラスを合わせガラス、ガラス飛散防止フィルムの使用など」

(5)玄関ドアの電子錠

回答のあった事業者55社のうち40%がカードキーを、34%がセンサータッチキーを設置しており、74%の事業者は電子錠を設置している。
円グラフ「事業者アンケート調査・玄関ドアの電子錠の設置について、事業者55社のうち40%がカードキー、34%がセンサータッチキー、74%が電子錠」

4.住宅の内外装の標準的な仕様

(1)屋根葺き材

回答があった事業者55社の51%はガルバリウム鋼板で最も多く、27%は屋根用化粧スレート、18%は粘土瓦だった。
円グラフ「事業者アンケート調査:屋根葺き材に使用する事業者55社の51%はガルバリウム鋼板、27%は屋根用化粧スレート、18%は粘土瓦」

(2)外壁材

回答があった事業者55社の84%は窯業系サイディング、9%は金属サイディング、3%はセメントモルタルだった。
円グラフ「事業者アンケート調査:外壁材に使用する事業者55社の84%は窯業系サイディング、9%は金属サイディング、3%はセメントモルタル」

(3)居間の床材

回答があった事業者55社の63%は複合フローリング、33%は無垢フローリングだった。
円グラフ「事業者アンケート調査:居間の床材に使用する事業者55社の63%は複合フローリング、33%は無垢フローリング、2%がタフテッドカーペット」