さまざまな住宅ローン(リフォーム一体型住宅ローン)

既存住宅を購入し、自分の好きなようにリフォームして暮らす。若い世代から広まった一つの住宅購入のスタイルです。新築よりも安く、自分の気に入った住まいを手に入れることができる点が最大の魅力と言えるでしょう。
一方で、購入やリフォームに当たっては、新築住宅の購入とは異なる難しさもあります。なかでもリフォーム資金の確保は、とくに自己資金の少ない世帯にとっては大きなハードルになっています。そこで各金融機関は、住宅購入資金とリフォーム資金とを一括で融資するリフォーム一体型住宅ローンの商品化を進めています。

【フラット35】リノベ とは

そうした中、住宅金融支援機構は2016年10月、「フラット35リノベ(性能向上リフォーム推進モデル事業)」を取扱い開始しました。

リフォーム工事によって、「省エネルギー性」「耐震性」「バリアフリー性」「耐久性・可変性」の4つのカテゴリーのうちのいずれか1つ以上について、定められた技術基準を満たす性能に向上させることで、フラット35の金利を引き下げることができます。

金利引下げ率は、技術基準のレベルに応じて、金利Aプラン(当初5年間、▲1.0%)と、金利Bプラン(当初5年間、▲0.5%)に分けられています。ただし、リフォーム工事以前から当該技術基準を満たしていた場合には、金利引き下げの対象にはならないことに注意が必要です。
また、消費者が中古住宅を購入して性能向上リフォームを行う場合のほか、買取再販業者が性能向上リフォームを行った中古住宅を購入する場合にも、利用することが可能です。

注意点として、まず、フラット35Sとの併用はできません。また、「中古住宅の維持保全に係る措置」に定められた4つの措置(①インスペクションの実施、②瑕疵保険の付保等、③住宅履歴情報の保存、④維持保全計画の作成)のうち、いずれか1つを実施しなければなりません。そのうち、③住宅履歴情報と④維持保全計画については、住宅金融支援機構が参考書式を用意しています。

手続きの流れは以下の通り。借入申込み/審査結果のお知らせ、事前確認、「既存住宅売買瑕疵保険」の付保、中古住宅の代金決済(ここでつなぎ融資実行)、工事前にリフォーム工事計画の確認、リフォーム工事、リフォーム工事後の適合証明検査、リフォーム工事の代金決済(ここでつなぎ融資)、入居。