第2回 CF表を見るときの注意点

前回から具体的にキャッシュフロー(以下、CF)分析のお話をしています。まず、第1回の復習「CF表を見るときの注意点」から始めましょう。

続:CF表を見るときの注意点

CFから問題点を確認するには、次のような手順を踏みます。

1. 問題の場所と大きさを確認する~CF表からどの時点で何が問題か?を探す

まず、「貯蓄残高」がマイナスになっていないか?また、その傾向を確認します。

2. 見つかった問題を解決するために、実現可能な対策を考える

「年間収支」を確認し、原因を確認します。通常、①収入の減少か、②支出の増加が原因ですから、その原因を改善できれば、問題解決になります。「問題解決のためにどんなことができそうか?」イメージする段階です。

3. 対応策での効果を見積もる~どのタイミング、どれぐらいの金額が必要か?

CF表の横軸(タイミング)と縦軸(具体的な金額)を使い、具体的な対応を決めることになります。例えば、今、300万円の自動車購入をするよりも、自動車購入する時期を来年に延ばし、金額も200万円程度に抑えることなども考え、対応することになります。 未来は絶対的なモノではないので、刻一刻変化しています。あくまで目安にすぎません。

事例から考える

では、ある事例に基づき、具体的にCF表の活用方法を見ていきましょう。 例えば、ある家族が、「3,100万円のマンションを購入したい!」という相談があったとしましょう。購入の是非を決める際にこのCF分析を行います。 以下が、それをCF分析した結果です。シミュレーションとしては、少々荒いのですが、このCF表に基づき、次回以降、提案方法を確認していきましょう。

家族構成&年齢

相談者は、34歳の専業主婦。旦那さんは35歳のサラリーマン(在職8年で、8年前に1度、転職経験あり)小学校1年生の女の子がいる。

現在の家計簿(年間)

(旦那さんの)年収は給与収入のみで500万円(手取り411万円)50歳まで1%上昇、その後60歳まで0%。なお、60歳の定年後、65歳まで退職時の60%で再雇用。奥さんの収入、パートで年72万円。

  • 年間貯蓄額:106万円
  • 生活費(水道光熱費・食費・保険代など):294万円
  • 現在の住宅費:50万円(社宅)
  • 教育費:33万円
  • その他は不明

資産状況

預貯金が700万円。親から頭金として300万円、贈与してもらえる見込み。

負債状況

借金はない。

住宅購入プラン

物件価格3,100万円+諸費用(5%)160万円
→頭金額800万円 借入額(住宅ローン)2,460万円
→フラット35 適用金利:約2% 35年返済で、返済額:年間98万円

住居費

固定資産税や修繕費などランニングコストのこと

CF(キャッシュフロー)表

キャッシュフロー表

こちらの表はPDFファイルでご覧になれます。
(キャッシュフロー表:PDF

ライフプランFP® 佐藤 益弘