第5回から、具体的な提案&効果測定について考えています。今回は、②「節約など家計改善」についてみていきましょう。
なぜ家計改善の提案まで必要があるのか?
節約など家計改善~つまり、生活スタイルの提案まで行うのは、行き過ぎではないか?と言われる方もいらっしゃるかもしれません。ただ相談者にとって、「住宅購入」自体が生活スタイルを変えることに他ならず、逆に変わりたいという理由で住宅購入を検討される方も多いでしょう。
言い方を変えると、相談者自身が生活スタイルの変更に抵抗があれば住宅購入自体うまく行くことは稀なのかもしれません。
具体的な項目出しの前に
第5回に提示したCF表から年間20万円を調整、つまり、年間収支を20万円改善する必要があるというところまでは分かりました。では具体的な方法は、というとその答えは相談者自体が持っているということになります。
収支を改善すること、(1)収入を増やすか、(2)支出を減らすか?という具体的な方策はたくさんありますし、継続的に実行していく必要性がある以上、相談者の好き嫌いの問題~つまり嗜好や価値観の領域まで踏み込み「考えていただく」というのが答えになります。
「自分でもそうしなければいけないことは分かってはいるが、他人に言われるとシャクだ…」。このような場合、良い意味で相談者本人が「前向きな」決断ができるよう環境を整えていただく必要があります。
今回のケースでは…
スタンダードな提案として、以下のような答えが考えられます。つまり、
- 収入を増やすか?
- ご本人の収入を増やす→労働時間単価を上げる(例:転職)or労働時間の増加、副業が認められていれば対応する。
- 他の収入源を増やす→例:奥様など他の家族の収入or資産運用などで収入を増やす
- 支出を減らすか?→節約する
- 比較的、実感を伴うもの→生活費などの削減など
- 比較的、実感を伴わないもの→保険料や通信費、住宅ローンなどの削減など
以下のCF表は、上記(1)の2. のケース:奥様がパート収入を月5000円UPと上記(2)の1. のケース:食費などの基本生活費を月1万円減らして対応した~つまり、合計で月1.5万円=年間:18万円改善したケースです。CF表を見て頂いて分かる通り、これで当面の状況は改善されます。更に改善させたい~例えば、60歳や65歳など定年時点で住宅ローンを完済させたいと思われるのであれば、収支改善に一層、励み、適正な時期に適性な金額の繰上返済などを行うことで、より一層、家計改善が図れるでしょう。
CF(キャッシュフロー)表
この表はPDFファイルでご覧になれます。
(キャッシュフロー表:PDF)
ライフプランFP® 佐藤 益弘