第1回 CF表の基本構造

みなさん、こんにちは!ライフプランFP®の佐藤益弘です。今回から家計見直しのためのキャッシュフロー(以下、CF)分析のお話をしていきたいと思います。
先ず、CF表の基本構造についてお伝えしましょう。

CF表の基本構造

CF表とは、現在の個々人の収支状況や、将来の予定・希望するライフイベントを基に将来の収支状況や貯蓄状況を、時系列で予測した表のことです。つまりライフイベントは、資金準備の目標になります。
数年以内に迫ったライフイベントは詳細に、また、遠い将来のライフイベントは概算的に予測します。

表に盛り込む内容は、縦軸に、年次・年齢・収入・支出・年間収支・貯蓄残高を示します。

  • 収入は、可処分所得(手取り収入=総収入-(社会保険料+所得税・住民税))を用います。
  • 支出は、数年後の予想額(=現時点での金額×(1+変動率)n n=経過年数)を記載します。
  • 各年次の貯蓄残高は、前年末の貯蓄残高×(1+運用率)±当年の年間収支で表します。

横軸は、それらの数値を基に示した数年後の予想額(=現時点での金額×(1+変動率)n n=経過年数)を表し、将来予測をします。

なお、変動率は各種統計データや経済指標を基に決め、調整します。

CF(キャッシュフロー)表

キャッシュフロー表のエクセル画面

この表はPDFファイルでご利用になれます。
(キャッシュフロー表:PDF

CFを見るときの注意点

通常、年間収支が赤字であることが問題のように思えますが、その赤字の原因が一時的なもので、赤字額も貯蓄残高の範囲内であれば、大きな問題になりません。CF分析で確認するポイントは、〝貯蓄残高がマイナスになること″や〝継続的な年間収支の赤字″です。
その問題点を確認するには、次のような手順を踏みます。

  1. 問題の場所と大きさを確認する~CFからどの時点で何が問題か?探す
  2. 見つかった問題を解決するために実現可能な対応を考える
  3. 対応策の効果を見積もる

次回以降は、具体的な事例を用いて話を進めることにしましょう。

ライフプランFP® 佐藤 益弘