第5回 CF分析による住宅ローンの見直し

第4回はキャッシュフロー表から「対処方法」(方針)を導きました。
今回からは最終コーナー、具体的な提案&効果測定について考えてみたいと思います。
まず、①「住宅ローンの見直し」について見ていきましょう。「住宅ローン」に基づく対応~提案について、まずは相談者にとって適正な住宅ローン金利を見付けることになります。現実的な数値が導けるかどうかは分かりませんが…早速、見ていきましょう。

まず、CF表を確認し、適正な住宅ローン金利を導く

現在のCF表(第2回を参照してください)を見ると、住宅ローンの年間返済額は98万円(借入額:2,460万円・35年返済・全期間固定金利:2.0%)です。この金額から年間20万円を調整、つまり、年間返済額が78万円になる適用金利を求める必要があるわけです。
ここで、「返済額早見表」を使って導いていきましょう。
返済表をエクセルなど表計算ソフトで作成し、適用金利を確認してみると、0.6%程度であれば、対応可能であることが分かります。なお、この金利は、団体信用生命保険込みの金利になります。

返済額早見表

エクセルの「返済額早見表」画面

この表はPDFファイルでご利用になれます。
(返済額早見表:PDF

具体的な住宅ローンを確認する

では、この金利水準が現実的に可能かどうか?「住宅ローンの金利情報」(住宅金融普及協会)で確認してみましょう。
見てみると…全期間固定金利型の住宅ローンで対応できるローンはないようです。ただし、変動金利型や固定金利期間10年以下の固定金利期間選択型の住宅ローンでは、対応可能なモノがありそうです。(2018年12月時点)
もちろん、適用地域や相談者の希望などがあれば、それらの条件を加味して調査する必要がありますし、最終的には、適用要件など金融機関に個別に確認する必要があります。
ただ、住宅ローンはお付き合いする期間の長い費用です。できるだけ、金利など外部環境の影響を受けない=自分自身でコントロールできるようにしておきましょう。そういう点からも目先の損益だけではなく、安心感を考え、対応しましょう。

CF(キャッシュフロー)表

キャッシュフロー表

この表はPDFファイルでご覧になれます。
(キャッシュフロー表:PDF

ライフプランFP® 佐藤 益弘