梅雨明け頃の集中豪雨(ゲリラ豪雨)や台風による大雨に見舞われた後には、ベランダやバルコニー(以下「ベランダ」という。)の汚れが気になります。
特に、マンションで生活をしている人にとってベランダは火災時の避難経路となる等重要な役割を持っています。
また、わずかな空間でも工夫しだいで楽しむことの出来るスペースとなりますので、清潔で美しい空間に保って おきたいものです。
ここでは、マンションの一般的なベランダのお手入れ方法をまとめてみます。
※マンションのベランダは、物干しや住戸の延長上にある空間として、専用使用ができますが、あくまで共用部分です。非常時の避難通路であるほか、管理規約等によって使用上の制約等がある場合があります。
ベランダ床のお手入れ

雨や風で飛ばされたり野鳥が運んできたりする小さなゴミや砂、植木の枯葉等がたまります。
小さなゴミ等を放っておくと、小さなゴミが風で動かされ、床の防水面を傷つけてしまうこともあります。排水口の周りに溜まって 排水が悪くなったり、排水管に流れ込んで、詰まりの原因になったりします。特に、大雨の前には注意しましょう。
月に1度、また、風の強い時期、雨の多い時期等は、週に1度程度、定期的に床のお手入れをしましょう。集めたチリは、排水口に流さないで、チリトリで取るか、掃除機で吸い取ります。本体の車輪やノズル先端等は、使用後に専用の雑巾等できれいに拭いておきましょう。
※最近は、ベランダ掃除用の掃除機の先端ノズルも販売されています。 これを使えば、小さなゴミや砂等をきれいに掃除できます。
防水方法と床のお手入れ
かつては、「ベランダ防水」という考え方が定着していなかったので、防水仕上げを施していない防水モルタル仕上げのベランダも多かったのですが、現在では、ベランダの床に防水性能をもたせるのが一般的です。
代表的な2つの防水方法についてお手入れ方法をまとめてみましょう。
【ウレタン防水】のお手入れ

仕上がりは、シームレスで継ぎ目が無く美しく、工事も簡単で早いという特徴があります。塗膜自体は柔らかいため、硬いもので傷つきやすいです。
お手入れの方法
土や枯葉などの堆積はウレタン防水層を早く劣化させる要因になりますので、常に清掃をしておくことが必要です。
汚れが落ちない場合は薄めた中性洗剤を用いて軟らかい布で除去し、十分な水で洗い流して下さい。
ご注意
- 塗膜が傷つきますので、デッキブラシ等は使わないようにしましょう。
- 硬いもの、鋭利なものを上に置くと、角等が当たって、経年により防水層を傷つけることがありますので、何かものを置く場合、必ずゴムマット等を下に敷いてください。
参考サイト
【FRP防水】のお手入れ

つまりガラス繊維で補強されたプラスチック(ポリエステル樹脂)複合材料です。仕上がりの色はグレーで、叩くとカンカンと硬い音がします。
施工方法は、ガラスマットを敷き、プラスチック溶剤を染みこませます。施工が早く、防水層も丈夫で信頼性も高く、仕上がりは綺麗ですが、材質が硬いため、建物の変形で防水層にヒビが入ったり、また上から重量物を落とすと防水層が割れたりという恐れがあります。
お手入れの方法
参考サイト
水洗いする場合に注意すること

水洗いの時には、大量の水をまくことにより、
- 下の階に水が漏れる
- 水が飛び散ってご近所の洗濯物を汚してしまう
- お隣のベランダへ水が流れこんでしまう
等様々なトラブルにつながるおそれがあります。バケツ一杯程度の水を静かに流しながら洗う程度にしましょう。
手すり壁のお手入れ
ベランダの手すり壁は、雨にさらされているので、雨水による泥汚れやシミ、カビ等で汚れやすいところです。早めにお手入れすれば、台所用洗剤や住まいの洗剤を薄めた液で簡単に汚れが落ちます。
こびりついてしまった時には、スプレー式のカビ取り剤、自動車洗浄用の水あか取り等を、まず目立たない部分で試してから、使ってみましょう。
いずれの場合も、表面にキズをつけないように注意し、こする場合は、スポンジ等を用い、タワシやワイヤーブラシ等固いものは使わないようにしましょう。

手すりのお手入れ
手すりの汚れを長い間そのままにしておくと、腐食の原因となることがあります。こまめに汚れを拭き取ることが重要です。
現在、大半がアルミ焼付け塗装仕上げをしたものです。
アルミ製の場合は、普段のお手入れは、水で濡らした柔らかい布で拭いた後、乾拭きをすれば十分です。
こびりついた汚れが取れにくい場合は、中性洗剤を十分にうすめた液で布を硬く絞り、汚れを拭き取って、その後、乾拭きします。
