住まいの中には多くの箇所で木材が使われています。木材を長持ちさせるためには、「腐らせないこと」が大切です。
このことが、住まいを長持ちさせることにもつながります。
このことが、住まいを長持ちさせることにもつながります。
木が腐る
「木が腐る」という現象は、菌(腐朽菌)が木材に住み着いて、木材の成分を分解することです。
腐朽菌の繁殖条件は、
- 水分(湿度)
- 温度(適温)
- 酸素
- 栄養(木材)
繁殖しやすい場所
住まいのなかで特に、床下や屋根裏は、一年中腐朽菌が繁殖しやすい条件が整った環境にあります。

床下点検
床下は空気の入れ換えの出来にくい密閉された空間です。
床下で十分な換気ができず、湿気が高くなると、床下の木材は水分を吸い込み、木材の含水率が高くなります。
含水率が高くなり、木材腐朽菌が繁殖すると、土台に使われた木材が腐り、強度が低下して、住まいそのものの強度が失われてしまいます。
住まいを長持ちさせるために、床下の換気はとても重要です。
※キッチンや洗面所、浴室など、水周り部分の床下は、特に湿気が多く溜まりやすいので、床下と同様にカビや腐朽菌が繁殖しやすくなります。

腐朽菌
木材腐朽菌というと、とてもおそろしいイメージを持ちますが、言い換えれば、 木を媒介にして成長するキノコです。食卓でお世話になるエノキタケ、シイタケ、ブナシメジなども、学術分類上は木材腐朽菌と呼ぶ菌と同じ仲間(白色腐朽菌)です。
住まいの敵となる腐朽菌として代表的なものは2つです。
その菌によって最終的に木材が変化(腐った)色から、褐色腐朽菌と白色腐朽菌と言われています。

被害の対象となる木材等 | 被害の状況 | |
---|---|---|
褐色腐朽菌 | 住まいの建築材として多用されている針葉樹林を主に腐朽します。 特に、床下で多く見られます。 |
![]() 木材に亀裂が生じます。 木材の表面を指でつまむと粉状になります。 |
白色腐朽菌 | 広葉樹を主に腐朽します。 | ![]() 豆粒大の穴が無数に開きます。 木材表面に繊維状のほつれが生じます。 |
腐朽菌対策
先に記述した腐朽菌の繁殖条件の中で、酸素と温度を制御するのは困難です。
結局、水か養分を絶つことになります。
そのため、木材を乾燥した状態に保つこと、また、防腐剤による処理も有効です。
特に、床下は地面に近く、湿気も吸いやすいので最も腐りやすい部分です。

床下の防湿対策
床下の湿度を上げるのは以下のようなものなので、これをふまえた床下の防湿対策が必要です。
- 床下の地面からの水分の蒸発
- 冬期の上部の建物側との境界に発生する結露
(冬は室内側の床が暖かいため、地面側に水蒸気がたまる) - 床下換気口などから浸入する水分(床下換気口の位置が低く雨水が流入など)
- 床下を通る給排水管からの漏水
床下の防湿対策としては、床下換気や防湿コンクリートの打設、べた基礎の採用などがあります。

床下換気

防湿コンクリート

ベタ基礎
土台に使用する木材
土台に使う木材は予め、防腐剤を加圧注入したものもよく用います。
また、ヒバやヒノキなど、耐久性の高い樹種を材料に選ぶことも多いです。
さらに木材の部位として、年輪の中心部分が最も耐久性が高いため、
芯持ち材と言われる木材の中心を用いることも効果があります。
また、ヒバやヒノキなど、耐久性の高い樹種を材料に選ぶことも多いです。
さらに木材の部位として、年輪の中心部分が最も耐久性が高いため、
芯持ち材と言われる木材の中心を用いることも効果があります。
