住まいの中の腐朽菌

住まいの中には多くの箇所で木材が使われています。木材を長持ちさせるためには、「腐らせないこと」が大切です。
このことが、住まいを長持ちさせることにもつながります。

木が腐る

「木が腐る」という現象は、菌(腐朽菌)が木材に住み着いて、木材の成分を分解することです。 腐朽菌の繁殖条件は、
  1. 水分(湿度)
  2. 温度(適温)
  3. 酸素
  4. 栄養(木材)
と言われ、これらの条件があうと、たちまち木は腐ってゆきます。

繁殖しやすい場所

住まいのなかで特に、床下や屋根裏は、一年中腐朽菌が繁殖しやすい条件が整った環境にあります。

床下点検

床下は空気の入れ換えの出来にくい密閉された空間です。
床下で十分な換気ができず、湿気が高くなると、床下の木材は水分を吸い込み、木材の含水率が高くなります。
含水率が高くなり、木材腐朽菌が繁殖すると、土台に使われた木材が腐り、強度が低下して、住まいそのものの強度が失われてしまいます。
住まいを長持ちさせるために、床下の換気はとても重要です。

※キッチンや洗面所、浴室など、水周り部分の床下は、特に湿気が多く溜まりやすいので、床下と同様にカビや腐朽菌が繁殖しやすくなります。

腐朽菌

木材腐朽菌というと、とてもおそろしいイメージを持ちますが、言い換えれば、 木を媒介にして成長するキノコです。食卓でお世話になるエノキタケ、シイタケ、ブナシメジなども、学術分類上は木材腐朽菌と呼ぶ菌と同じ仲間(白色腐朽菌)です。

住まいの敵となる腐朽菌として代表的なものは2つです。
その菌によって最終的に木材が変化(腐った)色から、褐色腐朽菌と白色腐朽菌と言われています。

被害の対象となる木材等 被害の状況
褐色腐朽菌 住まいの建築材として多用されている針葉樹林を主に腐朽します。
特に、床下で多く見られます。

木材に亀裂が生じます。
木材の表面を指でつまむと粉状になります。
白色腐朽菌 広葉樹を主に腐朽します。
豆粒大の穴が無数に開きます。
木材表面に繊維状のほつれが生じます。

腐朽菌対策

先に記述した腐朽菌の繁殖条件の中で、酸素と温度を制御するのは困難です。
結局、水か養分を絶つことになります。
そのため、木材を乾燥した状態に保つこと、また、防腐剤による処理も有効です。

特に、床下は地面に近く、湿気も吸いやすいので最も腐りやすい部分です。

床下の防湿対策

床下の湿度を上げるのは以下のようなものなので、これをふまえた床下の防湿対策が必要です。

  1. 床下の地面からの水分の蒸発
  2. 冬期の上部の建物側との境界に発生する結露
    (冬は室内側の床が暖かいため、地面側に水蒸気がたまる)
  3. 床下換気口などから浸入する水分(床下換気口の位置が低く雨水が流入など)
  4. 床下を通る給排水管からの漏水
床下の防湿対策としては、床下換気や防湿コンクリートの打設、べた基礎の採用などがあります。
床下換気
防湿コンクリート
ベタ基礎

土台に使用する木材

土台に使う木材は予め、防腐剤を加圧注入したものもよく用います。
また、ヒバやヒノキなど、耐久性の高い樹種を材料に選ぶことも多いです。
さらに木材の部位として、年輪の中心部分が最も耐久性が高いため、
芯持ち材と言われる木材の中心を用いることも効果があります。