環境に配慮した住宅部材

現代の私たちは、様々な地球環境問題に直面しています。
人類が長年かけて構築してきた「大量生産・大量消費・大量廃棄」型の社会から脱却し、今こそ環境への負荷を低減し、安全・安心な生活のための「持続可能な循環型社会」の実現を目指しているのです。

循環型社会に向けて、建築の分野でも多種多様な環境に配慮した住宅部材が開発されています。

エコマテリアルって何?

これは環境に配慮された材料の総称で、その内容には次のような要素が含まれています。

  1. 寿命が長いこと
  2. リユース(再使用)しやすいこと
  3. 製造時のエネルギー(化石燃料の消費)が少なく、二酸化炭素などの排出量が少ないこと
  4. 自然分解してゴミにならずに自然に帰ることなどです

地球環境を守る材料:木

リユース(再生)可能な住宅部材

木や石、金属など住宅の中にはさまざまな原料が存在します。これらの中で、唯一、人間の手で再生することが可能な資源は「木」です。
(伐ったら植えるという再生の原則)
森林を健全に育成させるためには、木を伐るということも意味があります。
(間引きして光を十分に届かせるための間伐、森林全体の炭酸ガスの吸収能力を高めるための、光合成能力の落ちた木の伐採など)。

製造工程で地球環境を守るエコマテリアル

住宅部材を使用している間の省エネルギー性能、使用後のリサイクルも重要ですが、部材を工業製品として考えれば、製造時、販売・物流時、施工時などの過程での環境配慮も大切です。
この点でも、木材もしくは木質材料は、製造過程で必要な消費エネルギー量が少なく、エコな材料です。 各建築素材をつくるために必要なエネルギーと炭素放出量は以下のとおりです。

環境に配慮した住宅部材

炭素放出量

林産試験場 林産試だより2006年7月号 特集「木材と二酸化炭素」
二酸化炭素問題から考える木材生産と利用
性能部 森泉 周 より転載

材料 製造時消費エネルギー 製造時炭素放出量
MJ/t MJ/m³ Kg/t Kg/m³
天然乾燥製材(比重:0.50) 1,540 770 32 16
コンクリート 2,000 4,800 50 120
鋼 材 35,000 266,000 700 5,320
アルミニュウム 435,000 1,100,000 8,700 22,000

これによると、1トンの木材を生産するのに、

  1. 天然乾燥製材であれば、炭素に換算して32kgを放出しますが、
  2. コンクリートが50kgで1.6倍、
  3. 鋼材が700kgで23倍、
  4. アルミニウムが8,700kgで290倍と、

いずれも環境へ大きな負荷がかかります。
木材は群を抜いて、地球環境への負荷が少ないことを示しています。

二酸化炭素吸収効果で地球を守るエコマテリアル

木は光合成のしくみをもっています。光の力を借りて、二酸化炭素を樹木が吸収し蓄積し、二酸化炭素の吸収効果は、伐採されて木材となっても、残ります。

自給できる資源で出来た材料:漆喰

漆喰(しっくい)は、日本で自給できる唯一の鉱物資源である石灰を主原料にしており、これに”麻スサ”や”のり”などを混ぜたもので、天然素材だけを使った塗壁です。
断熱・保温・調湿・遮音・防火・耐久等、環境を守るために優れた性能を持っているので、住む人、そして環境に優しい壁材として最近、再び注目をあびるようになり、内・外装に多く使用される様になりました。
漆喰は、耐久性が高い自然素材で、人体や環境に負荷を与えない優しい素材です。
漆喰の主原料である石灰は強アルカリ性なので、室内の空気中にある酸性のホルムアルデヒト等を吸着し分解する性質があります。
ホルムアルデヒドなどは、漆喰の細かい無数の穴に吸着されると、漆喰の強アルカリ性により酸性が失われ無害な物質へ化学変化を起こします。
また、建築基準法では不燃材料として規定されており、耐火性も有しています。

化学物質放散自主認定制度

ホルムアルデヒドの規制

2003年から建築基準法によるホルムアルデヒドの規制が始まり、ホルムアルデヒドの放散が予測される建材は5つの等級(室内への使用禁止建材から無制限のF☆☆☆☆表示建材まで)に分類されました。
自然素材で作られた漆喰は、ホルムアルデヒド規制制度対象外(ホルムアルデヒドを含む可能性がきわめて低い建材)であるためにこの制度の対象外となってしまい、F☆☆☆☆の取得が出来ませんでした。
そこで、安全ではないと誤解を招くことをおそれ、日本漆喰協会では、独自に「化学物質放散自主認定制度」を創設し、漆喰がF☆☆☆☆を遥かに上回り安全であることを証明しています。

■化学物質放散自主認定制度

ホルムアルデヒドに加えて、トルエン、キシレン等、厚生労働省ガイドラインが定めた13化学物質中8物質について、国内初の自主規定を定めた制度です。
◎化学物質放散基準値(基準放散速度 μg/m²h)
ホルムアルデヒド 5以下
アセトアルデヒド 15以下
トルエン 13以下
キシレン 43以下
エチルベンゼン 190以下
スチレン 11以下
パラジクロロベンゼン 12以下
テトラデカン 16以下