年配者で短期間(10年程度)で返済するケース

会社員Dさんは、家を建て替えたいが定年までに10年しかない。一部は退職金での返済を検討している。

家族構成:
会社員D(50歳)、妻(専業主婦、48 歳)
年収:
700万円
貯蓄額:
1,500万円
住宅取得後の年間貯蓄可能価額:
150万円
退職金:
2,000万円(予定)
物件概要:
一戸建て建替え、建築費 2,800万円
借入希望額:
2,000万円

Dさんに合った住宅ローンはどのようなタイプ?

短期間(10年以内)での返済が条件である

Dさんは定年となる60歳までの返済を希望しているため、退職金も加味して検討する。

金利タイプは幅広く視野に入れる

繰上返済はするものの、10年で返済を終えることを考えると、短期の固定金利期間選択型のリスクもさほど大きくないので、全期間固定金利型のみならず、幅広い金利タイプから選択できる。
10年間返済した後、残金は貯蓄や退職金で一括返済する予定なので、金利上昇リスクがあるのは10年だけである。このことから10年固定のほか、5年固定も候補になる。
また、全期間固定金利型のフラット35も選択肢となる。

①10年固定金利

この場合、10年後の60歳時に一括で繰上返済すれば、固定金利期間中に完済できる。年間119万円の返済で、住宅取得後の年間貯蓄額150万円を考え合わせれば問題はない。

10年固定の場合(返済期間:20年 当初1.8%、11年目以降店頭金利から1.4%引下げ)

借入額:2,000万円

毎月返済額99,293円。60歳で完済するイメージ

②5年固定金利

5年固定金利の場合、金利動向によって総返済額が変わる。下記の例は、6年目以降の店頭金利が4.0%の場合である。金利上幅が小さければ10年固定より有利になる可能性もある。

5年固定の場合(返済期間:20年 当初1.6%、6年目以降店頭金利から1.4%引下げ)

借入額:2,000万円
6年目以降店頭金利4.0%とする(引下げ後2.6%)

55歳まで毎月返済額97,431円。60歳まで毎月返済額104,639円。