買い換えの予算と年齢をふまえたポイント

A様のご質問

「53歳会社員です。子どもの教育費に目途がたったので、現役で住宅ローンを組めるうちに、少しでも条件の良いマイホームに買い換えたいと思っています。買い換え先の予算についてアドバイスをお願いします。

資料

家族

  • 配偶者(アルバイト)
  • 子(大学4年生)

今のマイホームに関する情報

  • 住宅ローンの残高3,000万円(65歳のときの残高1,300万円)
  • 住宅ローンの残期間20年
  • 自宅マンションの売却予想額4,200万円
年齢 53歳(現在) 65歳 73歳
住宅ローン残高 3,000万円 1,300万円 0円
住宅ローン残期間 20年 8年 0年

ご要望

  • 買い換えにあたっては、手元の貯蓄は崩さず、マイホームの売却で得た資金と住宅ローンで賄いたい
  • 教育費の負担がなくなる分を、毎月の住宅ローンの返済にまわしたい
  • 住宅ローンはできるだけ長く組みたい

回答

A様はリタイア前の53歳とのこと。また、教育費も一段落とのことですから、住まいの見直しを行うのに、良いタイミングですね。

買い換え先の予算を求めるにはまず、「マイホーム売却後に手元に残るお金」を見積もることからスタートします。手元の貯蓄は崩さないとありますから、これが自己資金になるでしょう。次に、「住宅ローン借入額」を検討します。

マイホーム売却後に手元に残るお金

マイホーム売却後に手元に残るお金は、マイホームの売却予想額から、住宅ローン残高、売却にかかる費用を控除して算出します。

資料によれば、マイホームの売却予想額は4,200万円です。ここから住宅ローン3,000万円を返済すると、1,200万円になります(4,200万円-3,000万円=1,200万円)。売却にかかる費用はケースバイケースですが、見込みたいのは主に仲介手数料、売買契約にかかる印紙税、繰上返済にかかる費用や抵当権の抹消費用でしょう。そこで売却にかかる費用を150万円とすると、自己資金は1,050万円(1,200万円-150万円=1,050万円)となります。

こうして計算した数字をお見せすると、「これだけ?」と、肩を落とす方が少なくありません。マイホームの価格が下がっていたり、住宅ローンが多く残っていたりすると、期待したほどの自己資金を用意できないものです。
そのため、イザとなると自己資金の不足を補おうと、手元の貯蓄をはたいてしまうケースも見られます。老後資金に不安を残すようであれば、買い換え計画の再考をするなど、慎重さが求められます。

住宅ローン借入額の検討

資料によると、A様は、毎月の返済額や、借入期間について、お考えがあるようです。ひとつずつ確認しましょう。

毎月の返済額

資料からA様は、「教育費の負担がなくなる分を、毎月の住宅ローンの返済にまわしたい」とお考えのようです。しかしこれからは老後のための貯蓄に注力したいところ。今まで教育にかけていたお金を、老後のために振り向けなくてもいいかを考えることも必要でしょう。

借入期間

借入期間を決めるときは、リタイアの時期を意識しましょう。(資料)に、「住宅ローンはできるだけ長く組みたい」とありますが、先にとりあげた「教育費の負担がなくなる分を、毎月の返済にまわしたい」とのご要望と併せると、今よりも借入額を増やすことを考えていらっしゃるかもしれません。
しかし(資料)を確認すると、65歳のときの住宅ローン残高は、今のままでも1,300万円です。これ以上に借入額を増やして、住宅ローンを返し切ることができるかの検討も欠かせません。

新たな住宅ローン借入額の検討においては、住宅ローンを返済しながら、老後資金の準備を進められるよう、心を砕きましょう。もちろんリタイアまでに、返済の目途がたつことが大前提です。

最後になりましたが、マイホームを買い換えるときは、その手順に応じた費用(各種諸費用や仮住まいの費用など)が発生します。また買い換えにかかる税金にも気を配るようにしてください。

※すべての記述について、金利については考慮外とする

ファイナンシャルプランナー 久谷 真理子