返済中の留意点(団体信用生命保険)

団体信用生命保険とは

団体信用生命保険(共済を含む。以下「団信」という)は、住宅ローンの返済途中で住宅ローン契約者が死亡、高度障害状態になった場合に、生命保険会社が残債を金融機関に支払う仕組みである。団信に加入していることにより、万一のことがあっても住宅ローン残高が保険金額として支払われ、遺族や家族に負債が残されずにすむ。
団信は、金融機関(または保証会社など)が保険契約者として生命保険会社との間で契約関係が成立するものであり、団信加入者(住宅ローン返済者)は、被保険者となる。
一般の生命保険と違い、保険金額は借入残高となるので、借入残高が減れば保険金額も減っていく。
ほとんどの民間住宅ローンでは、団信に加入できることを借入の要件としているため、住宅ローン選択の際には借入する人の健康状態について、確認が必要となる。

団信保険契約関係の基本的な仕組み

被保険者(債務者)は契約者・保険金受取人と住宅ローン契約し、契約者・保険金受取人は保険者(生命保険会社)と団体信用生命保険契約を結ぶイメージ

(参照)住宅金融支援機構「新機構団信、新3大疾病付機構団信」重要事項説明書より

保険金額逓減のイメージ

加入してから脱退(完済)までの保険金額の逓減の様子

(参照)住宅金融支援機構「新機構団信、新3大疾病付機構団信」重要事項説明書より

団信保険料

団信保険料については、①金利に団信保険料が含まれるもの、②金利に一定率を上乗せして支払うもの、③住宅ローン返済とは別に支払うものがある。
民間住宅ローンの場合、金利に団信保険料が含まれるものや一定率が上乗せされるものが多い。
団体扱いの生命保険のため、保険料(相当額)は低く設定されており、また加入時年齢による条件の差もない。また、税法上、団信保険料を別途支払う場合でも、生命保険料控除の対象とされていない。

3大疾病保障付団体信用生命保険

3大疾病保障付団信は、住宅ローン返済者の死亡・高度障害状態の他、ガン・急性心筋梗塞・脳卒中が原因で一定の条件に該当した場合、借入残高を保険金で全額弁済するものである。従来の団信に付加できるものが主流で、フラット35の機構団信でも3大疾病保障付を選択できる。保険料は、借入残高に応じて変わることが一般的である。
なお、3大疾病で保険金が支払われる条件は、概ね以下のようになっている。

  • ガンについて、保障開始日から90日経過後に悪性のガンと医師によって診断された場合(上皮内ガンなどは支払対象外)
  • 急性心筋梗塞について、保障開始日以後、急性心筋梗塞を発病し、60日以上労働の制限を必要とする状態が継続したと医師によって診断された場合、または、その疾病の治療を目的として、所定の手術を受けた場合
  • 脳卒中について、保障開始日以後、脳卒中を発病し、60日以上言語障害・運動失調・麻痺等の後遺症が継続したと医師によって診断された場合、または、その疾病の治療を目的として、所定の手術を受けた場合

3大疾病保障付団体信用生命保険のイメージ

借入残高分の保険金で清算するタイミングは、住宅ローン返済者が3大疾病で所定の支払事由に該当するとき