住宅における震災備蓄

最近はマンションの評価に「防災機能の有無」が含められるようになりつつあります。

個人の備蓄

品目

個人として備蓄すべき品揃えについては、総務省消防庁HPの「地震防災マニュアル」等を参照して揃えてください。

保管場所

地震の時には様々なものが倒れて散乱することが予想されますので、出来るだけすぐに取り出せるよう玄関や部屋の入口にまとめて置くようにしましょう。
押入の中、めったに行かない部屋の奥などに置いてある場合、取りにいくことが非常に難しくなるおそれがあります。
特に、咄嗟の行動の際に必ず必要なメガネなどは、玄関に予備のものが置いてあれば、非常に安心です。 玄関のクツ箱の中などは、万が一に住まいが倒壊している場合でも、見つけやすく取り出しやすい場所です。

マンションの備蓄

管理組合で、震災時の備蓄品の収納場所、安否確認方法、負傷者の救護場所、連絡体制、備蓄品の配給方法などを確認しておきましょう。

防災倉庫

マンションの防災倉庫とは、災害時に住民が利用する水、非常食、毛布、簡易トイレなど生活必需品を保管するスペースです。
現在、大半のマンションは防災倉庫を有していません。
防災倉庫は共用部分となり、住居部分の面積がその分だけ削減されて、分譲する上では、販売価格の上昇、あるいは販売戸数が減ってしまうことなどから、前向きに取り組みづらいこともあり、東京都や大阪市など、高層マンションを多数抱える自治体では推進のための施策を打ち出しています。

防災倉庫の設置の注意点

防災倉庫に備蓄する品物

  • 何を、何人分備蓄するのか。本当に必要な備蓄品と備蓄の適正量について
  • 備蓄品の費用は誰が負担するのか(管理費に計上できるか)
  • 備蓄品の管理は誰が行うのか

防災倉庫の共用部分としての位置づけ

  • 防災倉庫を新たに共用部分として位置づけた場合の管理組合の対応
  • 防災倉庫を活用するための実地訓練の実施

東京都の取り組み

2012年、東京都は、「東京都LCP(Life continuity performance)住宅」の登録・閲覧の基本方針を発表しました。
これは震災発生時にも住み続けることができるマンションを認定し、これを登録して情報提供するという趣旨です。
建築基準法で定める耐震性に加えて、常用発電機の設置、常用発電機で発生する熱を暖房等に使用できる設備、停電の際に水の供給や最低1基のエレベーター運転など、登録の条件が5項目にわたり定められています。
2010年より東京都では「東京都総合設計許可要綱」を改正し、“総合設計制度”の中で防災性向上に寄与する取組みなどを評価項目として割増容積率を加算しています。
例えば新築マンションで中・高層階に「防災倉庫」を設置する場合、倉庫分の面積を延べ床面積に上乗せできます。
防災倉庫設置については、他にも各区でも推進施策を展開しています。
今後は、震災備蓄のためのマンション防災倉庫が普及推進していくでしょう。

総合設計制度

総合設計制度とは、建築基準法で規定する緩和制度。
マンション等の大規模な建物の敷地内に、周辺の地域住民の誰でも使用できる「公開空地」を設けることなどにより、特定行政庁の許可により容積率や高さの制限を緩和するというボーナスを与えるものです。
  • 中央区
    2007年に市街地開発事業指導要綱の改正を施行。10階建てで25戸以上のマンションを新設する場合、一定階ごと(5階ごとを指導)に備蓄倉庫の設置を義務づけました。
    備蓄倉庫には3日分程度の水や食料のほか、簡易トイレなどを蓄えることになっています。
  • 港区
    2009年、新築の高層マンションに食料などを備蓄する防災倉庫の設置を条例で義務づけました。
  • 渋谷区
    6階建て以上で、6階以上に5戸以上の住居を有する中高層住宅を新築する場合、居住者のための備蓄場所の確保を義務づけています。
    備蓄するものは、居住者の3日分の食料、飲料・生活必需品、救出用具、避難用具などです。

大阪市の取り組み

  • 大阪市
    2009年8月に「防災力強化マンション認定制度」を創設しています。
    この制度は、耐震性や耐火性など、建物の有する安全性の基準に加えて、被災時の生活維持に求められる設備・施設(防災倉庫等)等の整備、家具転倒防止策の実施、住民による日常的な防災活動等の実施など、ハード・ソフト両面での防災力に関する基準を設けて防災力が強化されたマンションを「防災力強化マンション」として認定するものです。
    マンションは新築以外の既存住宅でも認定され、また分譲・賃貸も問いません。
    認定されたマンションには市から認定プレートが交付され、大阪市のホームページでも公表されます。