戸建住宅の地震対策 (窓ガラス編)

わが国では、建物の地震に対する安全性の要求は厳しく、壊滅的な倒壊などのおそれはないと考えてよいでしょう。
しかし、建物が壊滅的な被害を免れたとしても、巨大地震の被害にあえば窓や壁などは弱い部分から、部分的に壊れることが想定されます。
「住まいの管理手帳」の中では 家具の配置、固定などについての地震対策を紹介していますがここではそれ以外の暮らしの中の一工夫を紹介してみましょう。 まずは窓ガラスから。

地震と窓ガラス

地震が発生して大きな揺れ、うねりを受けた時に、窓枠にひずみが生じて、その枠の変形にガラスが追随できなくなり、ガラスが割れてしまうのです。

地震による窓ガラスの危険

地震の中で混乱している時
  1. 割れたガラスがささる。
  2. 破片を踏んでケガをする。
  3. 片付けの時に手を切る
などの2次的な危険が生じます。
ガラスが落ちた場合、下を通っている人に危害を加える場合があります。
玄関から避難できないため、やむを得ず窓から避難する場合、
ガラスが割れていると、窓からの脱出が非常に困難になります。

地震に強いガラス

  1. フロートガラス(普通のガラス)
  2. 網入りガラス
  3. 強化ガラス
  4. 合わせガラス
網入りガラス
火災の時にガラスが落下しにくいので防火性にすぐれています。
破損しても飛散しにくいので、ガラスの落下や飛散の面では安全なガラスです。
ガラスが厚くなり重量感がありますが、異物が混入しているため強度は同じ厚さのフロートガラスよりも低くなります。
強化ガラス

板ガラスを高温(700℃程度)で加熱・表面を急冷し、圧縮層を持たせたガラスです。
衝撃に強く、フロートガラスの種類によっては3~5倍の強度をもつものもあります。
強風や地震発生時にも割れにくい一方、1点集中での力には弱く家具やハンマーで比較的容易に割れてしまいますので防犯上は有効ではありません。
ガラスの破片は丸い粒状なのでケガをしにくく安心です。

合わせガラス
合わせガラスは、2枚のガラスの間にプラスチックの中間膜(特殊なフィルム)をサンドイッチして熱と圧力とで完全に接着させたガラスで、自動車のフロントガラスに使われているものです。
強化ガラスほどの衝撃への強さ(割れにくさ)はありませんが、強靱な中間膜がガラスを吸着しているので、ガラス破片の飛散や脱落はほとんありません。
板ガラスの安全性能比較   ○:高度 △:中度 ×:低度
ガラスの種類 割れにくさ 破片の飛び散らなさ 1点集中の衝撃への強さ
(貫通しにくさ)
フロートガラス
(板ガラス)
× × ×
網入りガラス ×
強化ガラス × ×
合わせガラス

※強化ガラスの破片は丸いが、フロートガラスと網入りガラスは破片が鋭角的で危険

地震の時、危ない窓を探す

開かない窓

固定されていて開かない窓を「FIX窓」「はめころし窓」と呼びます。
固定されているので、枠とガラス戸の間にゆとりがないため、地震により窓が揺れて、建物がゆがんだ時にガラスに大きな力がかかり、割れやすくなります。
特に窓と枠を固定しているシーリング材(パテ)が古くなると硬化し、ガラスが固定されて地震の揺れによる動きを吸収できなくなり、自由度がなくなり、割れやすくなります。

コーナーの窓

住まいの角(コーナー)部分で、L字形にガラスが付き合わさっている場合は要注意です。
地震で建物に力が加わる場合、建物の隅には力がかかりますので、ガラス自体に直接力が加わり、ガラスが割れやすいのです。
また、建物がねじれたり揺れたりして、ガラスとガラスがぶつかりあって割れることも考えられます。

住まいの窓を地震に強くする

窓ガラスフィルムを貼る

窓ガラスのガラスに、重ねて飛散防止フィルムを貼ります。
  1. 施工業者に依頼すれば1㎡あたり、5000円~20,000円程度が目安です。
  2. 自分で貼り付けることも可能ですが、すき間無くぴっちりと貼り付けないと、効果が弱まります。施工を頼むかどうか、また自分で張る場合の方法など予めよく考えておきましょう。

    ※目的により、防犯・遮熱・飛散防止・紫外線UVカットなど、様々なフィルムがあります。
    購入する場合は、よく確認してから購入しましょう。

  3. 透明度が高く薄いフィルム状のシートなので、外観も目立ちません。
    (通常は室内側に貼ります。)
  4. 自分でシートを張る場合
    中性洗剤の希釈液(20倍希釈程度)を接着面とガラス面の両方にスプレーしながら貼り付けると、わずかな位置のずらしなども出来、落ち着いてきれいに貼れる場合があります。
  5. 最後にフィルムを全面ガラスに貼り付けた時に、「タオル」でガラスの中央から外へ空気や水分を追い出しながら密着させてゆく時にも、フイルムが傷つかないようにフィルム表面に石鹸水をスプレーするときれいに仕上がります。

    ※食器棚のガラスなどにも貼っておくと効果的です。

必ず、カーテンをする

就寝中の大地震に備えて、寝室の窓ガラスが割れてガラスが飛散し、大けがをしないように、ベッドや布団の近くに窓ガラスがある時には、就寝時はカーテンやブラインドを必ず下ろしておきましょう。
カーテンやブラインドがワンクッションになって、ガラスから身を守ることができます。