住まいにはとても大きなお金がかかります。購入、建設、壊れた箇所の修繕、室内をリフレッシュするリフォーム、設備機器のリニューアル、大掃除、日常のお手入れなど・・・・・・。住まいを手にしてからずっと、私たちは貴重なお金を投資して、暮らしやすい住まいを維持し続けることになります。
少しでも安く良質な住まいを手にすることは、非常に大切なことです。しかし、住まいは手にした後もずっとお金がかかることになるのですから、手にする時(購入もしくは建設)だけでなく、その後の住まいにかける資金計画も、同じように大切なことだと認識しておかなくてはなりません。
そこで、ライフサイクルコスト(※1)という言葉を考えてみたいと思います。
※1 ライフサイクルコストは、その英語表記の頭文字をとって、LCC(エルシーシー)とも言われます。

ライフサイクルコストとは、ライフサイクルを通して必要なコストのことです。つまり、あるものの生まれてから無くなるまでの、長い期間を通してかかる費用のことです。
ある住宅のライフサイクルコストといえば、その住宅を建設もしくは購入、または賃貸住宅であれば契約して入居してからその家に住み続ける限りの期間を通しての費用のことです。そして、その家が例えば取り壊されて新しい家を建てるとすると、その次の住宅に対してまた費用がかかります。
そこで、家計を考える場合には、自分にとっての一生の間にかかる住居費(住むことに必要な費用)を、「自分にとっての住まいのライフサイクルコスト」として考えるとよいでしょう。
この中には、光熱費など、住宅に関わる全ての費用を合計したものを指します。
ライフサイクルコストという考え方を知っていれば、これまでよりも幅広く将来を見据えた判断ができるようになります。
例えば、今、30歳のあなたが同じようなプラン・規模・立地の2つの住宅のいずれかを購入しようと考えているとしましょう。
両方の住宅があなたにとって甲乙つけがたいほど、同じ価値を見出せるとすれば、「〇〇不動産の住宅の方が500万円得である」と判断できます。

ところが、この人が80歳までの50年間、この住宅に住み続けられたとします。そして、その60年間の長い時間に、一見同じ価値をもつように見えた両方の住宅ですが、実は■■ハウスの住宅は、色々な箇所にとても強くて耐久性のある材料を使用していたために、修繕があまり必要ではなく、修繕費があまりかからなかったとしましょう。

台風で壊れた部分を修理したり、何度も外壁を塗りなおしたりしている内に、50年間という単位で見れば、当初はお得と思われた〇〇不動産の住宅は、実は200万円も費用がかさみます。
もちろん、購入する30歳の時に、例えば3000万円の現金を所有していて、〇〇不動産の住宅であれば、全く借金をしないで購入できる・・・など、実際にはこのような単純な話にはならないのですが、ライフサイクルコストの考え方(※2)はこのようなものです。
ライフサイクルコストの考え方を理解していると、住宅の価値は長い期間を通して考えることが大切だということに気がつくことができるのです。見た目の美しさだけでなく、そのものの耐久性、さらに省エネ住宅なので光熱費が安いことや、耐震性が高いので地震が起きても損傷しないことなど、目に見えにくい本質的な性能のよさが、大きな価値をもっていることに気がつくことができるのです。